ABSがなにかはひとつ前の記事を見てください。
昨年の11月自分はABS-WG8なる、会議にいってきました。
カナダのモントリオールです。
今はむちゃくちゃ寒いみたいですが、
自分がいったときはちょうど今の日本くらいの寒さだった気がします。
もうちょっと暖かかったカモ。
さてさて、この
ABS-WG8なるものが何者かちょっと説明します。
ABSは今年のCOP10の主要議題の一つですが、大きな会議とはいえ、
短い時間の中だけでルールを決めるのは難しい。
だから、WG(作業部会)という事前の準備のための会議で話し合いをしましょうっていう話です。
8って数字は8回目の8ですね。
実際に国際会議の中を見て思ったことはいろいろ実際に来てみないとわからんなってこと。
大学生とかが大学の学園祭の前日に徹夜で準備だ~で、ひとり、またひとりと倒れ、椅子で寝出す。
そんな感じの風景が見れたりします。
会議は長く、しかもデリケートな話題を集中して話します。
当然神経はすり減るし、でも議題は終わらない。イライラしてくる人もたくさんいます。
この会議ではそこまでいくことはなかったのですが、深夜2,3時とかに話し合いが終わり、
また翌日9時に集合とかってこともまぁまぁあるようです。
それをおっかけてるNGOの人もそりゃぁまぁ疲れます。
そんな感じの会議の様子はまた次回に。
今回はCOP10でルールが作られることが決定されているABSについてのお話です。
いろんな国がそれぞれ意見を持っていて、
いろんなこと言いたい。
でも、それじゃ意見なんてまとまらない。
こういう国際会議にも、日本の国会のような政党みたいなグループがあるんです。
利用国派 少数派 (おもに先進国)
JUSCANZ 日本、カナダ、豪、NZ、韓国など。
EU そのまんまEU
提供国派 多数派 (おもに発展途上国、新興国)
LMMC インド、ブラジル、マレーシア、中国等
G77 中南米、アフリカなど
これ以外にも産業界やNGO、ユースだとか、先住民族が絡んでくるわけです。
でもこちらは国ではないため、決定権はなく、また発言権も基本的にありません。
これら二つが対立するのが大体の構図なんですが、
利用国派の中でも、スイスやノルウェーは提供国派の意見に賛成しています。
だいたいこのグループごとに意見を統一したり、戦略を練って会議に臨んだりします。
ではでは、実際にABSの決まりができるまで、です。
まず、それぞれの国ごとに、意見の募集します。
こういうルールがいいっていう希望で、ルールの骨子となるひとつひとつの骨の案を出します。
(案にそれぞれ提出国の名前がついて、まとまってる。)
次に順番をみて、番号をつけながら、ざっくりとしたひとつの形にする。
(案から国の名前が消える。)
ざっくりしたひとつの形の中で矛盾した部分を調整し、整合性を取るため追加を繰り返しながら、
ひとつの形にする。
それから、細かい語句の追加、選択肢の追加をします。
たとえば、[can] [should] [shall]っていった感じで選択肢となる単語をカッコづけで追加します。
これをブラケットっていいます。
たとえばこの場合、この文脈がどれだけ拘束力が強いものにするかによって、単語が変わります。
ぜったいやらなきゃだめだぞ!!っていう場合はShallを、
逆にCanはやれるようにしようね~ぐらいの決まりです。
だから、発展途上国の人たちが、shallを入れまくってる中で、日本はひたっすらCanを入れてました・・・
このようにして、やたらとたくさんカッコがはいってるひとつの文章ができあがります。
そして最後にカッコの選択肢がどれを選ぶかを決定し、文章を完成させる。
っていうのがABSのルールができるまでのざっとした作り方。
いまはカッコ付けが全部できたところで、
あとはひたすらカッコをはずしていくだけ!!
だけ!!
だけ・・・
だけ。
だけなんですが、それがなんと3000個。
こんなもんCOP10に間に合うんかいなってのが問題です。
あと一回。
ABS-WG9っていう9回目の会議が3月の末にあります。
そこでどれだけ話すことができるか、それが問題となってきます。
COP10に間に合うのだろうか???
そしていまのところ努力目標にしようとがんばってる日本政府は、
法的拘束力のある議定書作成に向けてどう動くのだろうか・・・
一応、中身によっては法的拘束力のあるものでもいいよっていってますが。
どうなるかなー
外務省の方も来て以下のイベントでABSについて議論!!
http://www.aseed.org/info/info10_0219.html
注目です。
[3回]
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